学校。
いつもと、なにかが違う。
皆が、私の方を見ている。
これは好奇の眼…?
「おい。」
私は突然の呼び止めにびっくりした。
なぜか――――
それは、私を呼んだ相手が透…桜風の総長だったからだ。
「な、に?」
透とは、もう話したくもない。関わりたくもないし、視界にも入れたくないくらいだ。
桜風に裏切られたってことよりも透に裏切られる方が辛かった。
守ってやるって。
そう、言ってくれたのに。
「お前さ、"影を舞う蝶"なの?」
いきなり話しかけてきたと思えば…。
「そ~だけど??」
「……。…なんでだ?どうして、」
もう、守ってもらう必要なんてない。
透にとっての私なんて、彼女として思われてすらなかったのだから。
透が言いたいことが分からない。
「もう、行っていいかな。」

