偽りの翼Ⅰ 


――――ねぇ、どうしてよ。


なんで私は助かったの?


お母さんとお父さんを助けてくれればよかったのに。


『残念ながら、お母さんとお父さんは亡くなられています…。』


救急隊員から聞かされた言葉がフラッシュバックする。


今日、私が誕生日じゃなければ。


誕生日を祝わなければ。


もう少し、早く帰っていれば。


お母さんとお父さんは………。


生きていた?


今、私の隣で笑っていたのかな。


「お嬢さん、今親戚の方には連絡しておいたからね。」


―――――私が、いなければ。   


今もお母さんとお父さんは生きていたのに……。


「どうしてよ、どうして……。」


私は生きているの…?


「花恋っ!」


―――この声は…百合香おばさん?


「おねえちゃんと、智さんが亡くなったって…!!」


「………百合香、おばさっ!ごめん、なさいっ!」


「花恋っ……。辛かったね。怖かったね…?」


私が、全ての元凶だ。


私がいなければよかったんだ。


そうすれば、お母さんだって、お父さんだって生きていて。


百合香おばさんを悲しませることもなかったのに。