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「美味しかったわー!ねっ?花恋!」


「うん!ありがとう!」


「美味かったな!また来年も来るか!」


「うん!!」



こんな、他愛ない話をしながら帰っていた時のことだった。


「ガッシャーン!!」


いきなり大きな音がした。


「キャッ!」


私はそう叫んだ。


一瞬何が起きたかわからなかった。


事故…?



そう理解した時には車は半壊、後ろから突っ込んできただろうトラックは横転していた。


真っ白な頭で考えられたのは、


"車から出なきゃ"


ということだった。


「おかあさんっ!お父さんっ!」


そう叫んでもふたりからの返事はなくて。


私は必至でお母さんとお父さんを探した。