花恋…、お前に何があったんだ?


「花恋、話を、聞かせてくれねーか。」


空き教室に入ると、俺は気になることを聞いてみた。


「うん…。」


花恋は苦しそうに顔を歪ませて呟いた。




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花恋が話してくれたのは、


俺が思った以上に辛い出来事だった。



信じてた奴らからの裏切り。


「もう、大丈夫だ…。俺は裏切らねーよ。」


「裕、翔っっ  …ありがとう。」


花恋は安心したようにそう言った。


"大丈夫だ"


きっと、あいつが1番欲しかった言葉…。


1つ、しっかり確かめなきゃいけないことがある。


「なあ、花恋…。1つ聞いてもいいか…?」


お前が本当にいじめをしてないという事実…。


「うん…。」


「その、由美香って奴が嘘をついてるんだよな?お前は嘘をついてないんだよな?」


「私はっ…嘘なんてついてないよッ」


……あいつはそう言ったんだ。


信じてやらなきゃいけねぇ。


「ん。分かった、俺はお前を信じるよ。」


こんな顔で訴えかけられちゃあ、信じるだろ、普通。


今にも泣きそうな顔してんじゃねーか。