偽りの翼Ⅰ 





「私はね、嘘つきの塊なんだ」




問いただそうとしたのに、



ペラペラと喋りだした由美香



「意味がわからねえ…俺らは被害者だぜ?」



「そうなんだよ、あれは私のお父さんが絶対的に悪かった。」



「じゃあ、なんで」



「小さい頃から私はお父さんは死んだって教えられてたの。…そりゃそうだよね、犯罪者だよなんて言えないもんね」



「なんで、事件を知ってるんだ?」



「手紙に書いてあった。被害者の家族の名前と、お父さんのしたこと。


昨日ね、お父さん帰ってきたの」



あの警察官、帰ってきたんだ…



「私もね、小さい頃あの辺に住んでてね…今は隣町に住んでるんだけど…
いきなりお父さんが家に来てね、私に向かって『誰だお前』って言ってきたの」



実の娘に対してそれは… 




「こっちこそ誰だって感じだったんだけど、お父さんが私のこと思い出したみたいで。名前を呼ばれたの。…由美香って。」