偽りの翼Ⅰ 




それからしばらくして咲人さんは大分元気になった。



でも、退院はできなかった。




そんなある日。




「なあ、裕翔。俺、引退するわ」




最初は何言ってるのか全くわからなかった。




「何言ってるんですか、まだ復活していないじゃないですか!」



すると咲人さんは悲しそうな顔をした




「俺さ、死ぬんだ。」



俺はしばらく声が出せなかった




「どういう、意味ですか…?」





「あの時、頭殴られたろ?その衝撃で一部損傷してしまったんだ。……あと一ヶ月の命なんだ。」




うそだろ…




「それ、本当ですか」




普段から冗談ばかり言っているようなひとだ。



きっと今回だってそうだろ?




「ほんとだよ」