「あらぁ、起きた?」



突然の声に雅は肩を震わせた



私は何故か冷静だった。


聞き覚えのある声だから少し安心したのかもしれない。



「由美香…」




てことは、ここは桜風の倉庫?



いや、ちがう。



桜風の倉庫はもっと小さくて暖かい場所だった。



この倉庫は、だだっ広い。




「ここがどこだか知りたい?」




由美香は私の考えを読み取ったかのようにそう言った



「…………」




「無言?嫌ね、反応ぐらいしてよ。…まあいいわ。ここはね、陽蘭の倉庫。」



「陽、蘭?」



その名に聞き覚えはあった。