偽りの翼Ⅰ 




あの日の夜、俺の家に一本の電話が入った。



「あぁっ、透くん!?美穂が帰ってこないのよ!何か知らない?!」  



帰ってこない?



俺と美穂が別れたのは午前11時頃。



今はもう、午後11時。




あれから、12時間経っている。



「おばさん、俺心当たりある。」
                                          
「本当に!?」


「どこにいるかは分からないけど…一緒に探すよ」


「ありがとう!」










その日の夜







俺は手当り次第色々なところを探した。



しかし、翌朝。


一本の電話が入った。



「…もしもし?透くん?あのね、美穂が亡くなったって…。」



「…………え?」