でも、そんなことはなかった。
俺達の関係が壊れたのは、
突然だった。
「透、好き。」
この、美穂の一言がすべての始まりだった
いや、俺と美穂が出会ったことがすべての始まりだったのだろうか。
「付き合って下さい。」
当時の俺は彼女なんていらないと思ってたし
恋だの愛だのくだらないと考えるような男だった。
「ごめん。俺、美穂のことそういう風には見れない。」
美穂に軽蔑までした。
お前もそういうやつだったのか、と。
「……………っごめ、わたしっ」
美穂はそう言って駈け出した。
俺は別に追いかけたりしなかった。
あんなことになるなんて、思いもしなかったから。

