偽りの翼Ⅰ 




俺は、3年前大切なやつを失った。



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「ねえ、とおるーっ」



「なに?」



「呼んだだけっ!」



俺には、幼なじみの武井美穂という女がいた。


美穂に好きとかそう言う感情を抱いたことはなかった。




「なんなんだよー」



何気に楽しくやってたし



何も不自由だと思ったこともなかった。



小学校では6年間中、5年間一緒だったし



中学校は3年間全部同じクラスだった。



小さい頃からずっと一緒で



一緒に育ってきた俺達。



それは、これからもずっと続くと思ってた。