裕翔がそう言ったのは


待ち続けてから2時間ほど経った頃だった。



「おう、お帰り。」



隆史さんが帰って来ると心臓がドキドキし始める。



認められなかったらどうしよう、とか



無視されたらやだなとか。



「ただいま。」



顔を表したのは少し肌の黒い背の高い人。




「あれ、この子…。」



隆史さんは



「コイツが影を舞う蝶だ。」



「あぁ。」



彼は見た瞬間に私のことがわかったようだ。


「とりあえず花恋、自己紹介してくれ」



「如月花恋です。裕翔と同じ高校に通ってます。」



「同じ、高校…。それで昨日裕翔はあんな反応だったわけか。」



納得したような隆史さん。




「ああ。で、ここからが本題なんだけど…コイツを月姫にしようと思ってる。」