「昼間、となりにいたの、友達?」



星空をみあげながら、ふと思い出したように芹沢くんに問いかけられた。

…宗介のことだろうか。



「あ、うん。アイツとは、腐れ縁なの。仕組んでるわけでもないのに、よくクラスも一緒になるし。

そうそう、こないだの数学のテスト、同じ点数だったの!二人とも赤点だ〜、って」



話を盛り上がらせようと、いっぱい喋ってみたのだけれど、芹沢くんはつまらなさそうにふぅん、と答えるだけだった。


…自分から聞いてきたくせに、変なの。



それからはしばらく、ふたりとも無言で星空を見つめていた。

なんだか、不思議な夜だったなぁ。


そろそろ寒くなってきたので戻ろうか、となり、名残惜しいけど自室に戻ることになった。



その帰り道。


「芹沢くん、この間の約束覚えてる?」


「約束…?」



「追試対策だよ。けっこう期待してるんだよー?」


芹沢くんは、あぁ、と思い出したようだった。
ほんとに忘れてたんだろうか。
ショックだ。



「任せといて。赤点なんてとれないようにしてあげる。…連絡先、交換しようか」



「!!…ありがとう!ぜひお願いします!」



嬉しすぎてつい敬語になってしまった。
まさか連絡先GETできるとは…!


まあ、夏休み中だからメールとかじゃないと連絡できないから当たり前か。



明日、萌に報告だ〜!