約束のお食事デートまでは半月以上も時間があった。

お食事デートの日まで先生に妹としてではなく、女として意識してもらいたかった。

両耳には3つのピアスをあけた。
古着ばっかり着ていた格好を辞めた。
化粧は少し派手にした。
いつも読んでいた雑誌も卒業して、ワンステップ大人向けの雑誌に変えてみた。

17歳の高校生が23歳の男の人と付き合うためのできる背伸びは全部やってみた。

あたしの高校3年になってからの変貌ぶりに、友達は不思議そうな顔をして
「何かあったの?」
なんてよく聞かれた。

また笑ってごまかす自分が居た。
でもいつものごまかし方ではなかった。

意味深に笑いながら
「秘密。解決したらねー。」
なんて言って放課後によくみんなで盛り上がった。

その頃には、先生と出逢うまで心の半分以上を占めていたメル友の存在はあたしの中からすっかり消え去っていた。