車に乗って40分位で、目的地に到着した。

そこは以前、先生とデートした空港の裏の通りだった。
 
 

しばらくは二人で黙って飛行機の離着陸を眺めていた。

「先生、あの……。」
「何?」

先生が真剣な顔して振り向いたから、あたしは黙ってしまった。


「返事、聞かせて。」


先生に諭されて、あたしは頷いた。

頷きながら気付いたら、また涙が溢れそうになっていた。

泣いたらだめだ。

もう泣き虫は卒業だと決めていたのに。

それでも涙は次から次へと溢れてきて止まりそうにない。

「先生、あたし先生のことが好きです。ずっと、ずっと。8年前も、今も変わらずに好きです。」


やっぱり涙が溢れてくる。

先生はそんなあたしを抱きしめてくれた。

「俺も、ずっと好きだった。」


そう言われて、あたしもますます涙が出てくる。

しばらく、あたしは先生の胸の中にすっぽりと収まって抱きしめられていた。