それでも先生はつとめて明るかった。

「色々気になるでしょ?まっ、多分知佳もこの数年、色々あったでしょ?再会記念に一緒に飲みに行こうか。知佳ももう飲みに言っても補導されない歳だし。話はその時にしよう。」


そう雰囲気を変える先生の言葉にあたしは電話越しに頷くしかなかった。

「返事は?」



「はい。」


そう言って、あたしと先生は1週間後の夜と日取りを決めて、食事に行くことになった。

「じゃ、一週間後。俺、今から運転するから。じゃあな。」

食事の約束をした先生は、そう言って一方的に電話を切った。


あれから一週間の間は、先生との食事に心を躍らせてみたり、過去のことを考え、悩んでみたりとあたしの心は激しく不安定だった。


それでも一日、一日と約束の日は近づいてきていた。

その中であたしの先生に対する好きという気持ちに自分で気付いていた。