思いきりよく走り出て、狭い路地に入り込み、くねくねと走った。 もうこれで安心。 そう思った時には、自分がどこにいるのかわからなかった。 まだ息が荒い… よくコケる、と言われたヒールで迷子になるほど走れたものだ…… いや、一回目もさっきも意識してコケた訳じゃないし! でも、どっと疲れが襲ってきた…… もぉ…どっかに座りたい。 目を上げた先の貼紙が呼んでいる。 『ランチはじめました』 アタシは迷うことなく暖簾を潜った。