青空の下月夜に舞う 3

声が出そうになるのを必死に堪える。


大丈夫?祐也。あんた本当に大丈夫なの?

冷静な判断が出来ない。
私はこうして震えることしか出来ないのか。




「今死ぬか?後から死ぬか?」




まるで、温度を持たない声。
それがさっき祐也を殴ったであろう、声の主だと。

どうしよう。本当に祐也が……


そう思い、今度こそ腰を上げた時。


「わ!君たち!何を……」

「チッ……」


聞こえてきたのは、パン屋の店長の声。


「おい!警察!」

「オラ、行くぞお前ら。しゃんと立て」


店長が店の中に戻りながら、声を張り上げる。
それを聞いた声の主は……


坊主頭に、かなりゴツい体。
周りに倒れている人を足で起こしている様に鳥肌が立つ。