「“お前はそこでいい。待ってろ”」
見えているのか。
そう思いたくなる程のタイミング。
「下のもんがやられてんのに、黙って待ってろって言うのかよお前」
その言葉に返事をしたのは、さっき祐也と話していた声。
「お前いいよな。うちに来いよ」
「断る」
「おもしれえ」
ーーガツ!と。
強く何かがぶつかった音。
次に聞こえたのは、
「かはっ……!!」
ーードン!と。
何かにぶつかった音。
「人間がぶっ飛ぶ姿は何度見てもいいもんだな」
その声は。
祐也が飛んだことを意味している、と。
瞬時に判断出来た。
じゃあさっきの声は……
咄嗟に覆った自分の口。

