青空の下月夜に舞う 3

隙間になっている通路の奥を見ると、エアコンの室外機が。

しかもその上には物が置いてあり、ビニール袋が被せてある。

バイクのエンジンが切れると、移動する音が聞こえるかもしれない。

祐也が無言で私を隠したなら、きっと隠れていた方がいいんだ。


なるべく音は立てない様、ゆっくり歩き、室外機の後ろに回る。

しゃがんで体を丸めると、

すいません……

エアコンの主に心で謝りながら、室外機の上のビニール袋の置物を僅かにずらして、自分自身があまり見えないように努めた。



ーーあ。

私がその体勢に入った時、ちょうどバイクのエンジンが切れる。


「お姫様は?どこだよ。お前一人?」


どこか馬鹿にした様な。
明らかに声色で美舞のみんなじゃない、と。

握った拳に、じんわりと汗をかいた。