「てめぇ、麻衣に何した」
ぐっ、と。力を引き、腕を離すと同時に次は左。
だけど、左腕は空を切る。
雄大が後ろに体を仰け反り、よけたのだ。
祐也の顔が更に怒りに歪む。
当たらなくて、怒りが上昇しているかの様に思えた。
「正義のヒーローは、強くないと。オヒメサマは守れねえぞ?」
ーーヒュッ……
速い。
普通に話してるのに。
難なく拳を祐也の頬に当てた雄大は。
殴った後直ぐに、お腹を前蹴り。
「……がっ、」
「上原。悔しかったら、当ててみろ」
蹴られた事で、くの字に曲がった祐也の体。
苦しいのか、2、3度咳が出た。

