青空の下月夜に舞う 3


「てめぇ、麻衣に何した」


ぐっ、と。力を引き、腕を離すと同時に次は左。

だけど、左腕は空を切る。

雄大が後ろに体を仰け反り、よけたのだ。



祐也の顔が更に怒りに歪む。

当たらなくて、怒りが上昇しているかの様に思えた。


「正義のヒーローは、強くないと。オヒメサマは守れねえぞ?」


ーーヒュッ……


速い。

普通に話してるのに。
難なく拳を祐也の頬に当てた雄大は。

殴った後直ぐに、お腹を前蹴り。


「……がっ、」

「上原。悔しかったら、当ててみろ」


蹴られた事で、くの字に曲がった祐也の体。
苦しいのか、2、3度咳が出た。