私のせいで、もし裸女が……?
想像して身震い。
そんなの絶対嫌だ。
「麻衣を壊す手段は、何も知恵さんだけじゃない」
「……ーーっ、」
思わず唇を噛む。
我慢するしかないのか。
雄大は口だけじゃないのは分かってる。
彼氏が居るのかの確認する為だけに、私を簡単にさらったんだ。
こうやって、隙をつけば、今ここに居るのは裸女かもしれない。
目の前が滲みそうになるのを、必死に堪えた。
泣いてる場合なんかじゃない。
私は。
私は。
もう弱くない。
でも。悔しい。
心の中でしか叫べない。
やめて、と言えば、狙われるのは裸女かもしれない。
私の為に、涙を流してくれた、裸女の笑顔を。
私が奪ってはいけない。

