雄大の指はスマホを操作し、ご丁寧に私の視界に入ってきたのは。
あの日、家の玄関での事が。
フラッシュバック。
『あ……ん、ゆぅ、だい……』
『麻衣、もっと聞かせて。ほら』
『や、だ……っ!ん、はぁっ』
ーー思考は完全に雄大に奪われている。
これ……中学の時のじゃない。
いつ撮られたなんて覚えてない。
目の前の現状を見たくなくて。必死に目を閉じてたんだから。
「これ。ネットに流そうか。アイツ等が見付けたら何て言うかな」
「……っ、」
「慶太郎とか、上原とか。見てんじゃねぇ?エロ動画。響は知らないけど。他の美舞のヤツ等も確実に見てるだろ」
“麻衣ちゃんも見る?エロ動画”
慶太郎が笑いながら、パソコンに向かう姿が浮かんでくる。

