青空の下月夜に舞う 3


ーーグイッ……


背後から。
腕を引かれ、予想していなかっただけに、当然よろけて後ろに倒れそうになる。


それを。


ふわり。

優しく私の背中を包んだのは。



「久しぶりだね。こうやって抱きしめるのは」



ーー声を聞いた瞬間。

全身に鳥肌が立ち、一気に毛穴が開いた様な。


驚きと困惑。


だけど、その気持ちの更に上を行くのは……恐怖。



「“美舞”の言葉に騙されたでしょ?ダメだよもっと用心深くならなきゃ……」

「ひゃっ……」


後ろから抱きすくめられ、耳を……ぱくり。
髪の毛も一緒に口で挟まれて、声が漏れた。




「麻衣、相変わらず可愛い」



耳元で聞こえる、その声が。

私の頭を黒くさせ、思考回路を停止させる。

こんなことが出来るのは、


「ゆぅ……い、やめ……っ!」



ーー雄大しかいない。