おじさん、って年じゃないのに。
雰囲気を柔らかくする為に、わざとだ。
じっと見つめると、ふふっと笑った。
掴めない人だな。
「聞いてもいいですか?」
「なんでもどうぞ?」
お店やってる人って、口が上手って聞くけど。
パン屋の店長は、本当に和やかな人だし、奥さんもほんわかしてる。
お酒を飲む所だから?
「みんなとどんな繋がりがあるんですか?」
「お。そこ聞いちゃうの?」
「不思議に思ったので」
「俺も笹原東だよ?」
「……本当ですか?」
「嘘だけど」
笑いながら口にする。なんでも聞いていいんじゃなかったのかよ。
「もっと仲良くなったら教えてあげる」
雅也さんがそう告げた時。
扉の開く音が同じタイミングで聞こえて、思わず振り向くと。

