「ほんと、いい人見つけたわね。」

その言葉に口に含んだ紅茶を吹き出しそうになった。

思わずお母さんの顔をガン見する。

「何よ、そんなに驚いて‥。」

平然とした顔でコップに口をつけている。

「知ってたの?」

「え?あんた、悠くんと付き合ってるんでしょ?」

何を今更とでも言いたげな目で見られる。

もしかして悠が言ったのかな?

「まあ、そうだけど‥。」

「いつから?」

身を乗り出して興味津々といった感じで聞いてくる。

その様子に戸惑いつつも、答える。

「高校卒業してから‥。」

「ええ!?じゃあまだ1年経ってないの!?」

突然大きな声を上げたので、体が少し飛び跳ねた。

でもこの様子だとちゃんとは知らなかったようだ。

「てっきりもっと前から付き合ってたと思ってたわ‥。」

「私の話はいいから、お母さんとお父さんの馴れ初めは?」

これ以上聞かれたくなくて、逆に聞き返す。

すると遠い目をしながら懐かしそうに話してくれた。

時々頰を赤らめ、照れ臭そうに。

他にも色々な話をしていたら、いつのまにか夜は空けていて。

朝方帰ってきたお父さんが驚き呆れていた。