信じられない。
どうしよう。
あり得ない。
そりゃないよ。
負の言葉があたしの脳内を占める。
「……ん?」
誰もいないと思っていた教室内。
窓際の1番後ろという羨ましい席に、誰かがいた。
何故か窓際の1番後ろの席だけ、ポツンと離れ小島みたいになっていた。
前にしか席はなく、左隣も後ろも何の席もない。
…寂しくないのかな、あの席で。
どうやら窓際1番後ろの席の人物は、寝ているらしい。
このままじゃ、あたしもあの人も遅刻だ。
多分男子だと思われるその人に、あたしは近づいた。
「あの~…すいませ~ん」
近寄って声をかけてみるけど、全く動く気配(起きる気配)なし。
もしかして居眠り常習犯?
だったらすぐには起きないかも…。
だけどここで諦めるわけにはいかない。
だってあたしも遅刻になってしまう。
転入初日から遅刻は困る!