キミが笑う、その日まで

「…美空だけに言うね」


「え？」


「私ね、キクくんのことが好きなの…」


「……ッ！？」




真帆も、きーくんが好き…？




「だけど、キクくんは私のこと、恋愛対象として、見ていない気がするんだ。
話してはくれるんだけど、他の女子に対するのと同じで。

知っているかもしれないけど、キクくんはお父様が紹介してくれたの」




きーくんの家は、大きな会社。

真帆の家も、同じく大きな会社。

…もしかして……。




「ふたりは、婚約者なの……？」



戸惑いを隠して尋ねると、真帆は頷いた。

…婚約者……。




「だけどキクくんは、婚約者って関係を納得していないの。
お父様の会社を継ぐことは決めているらしいんだけど…。

いくらお父様の会社のためとは言え、私と婚約者って関係になるのは嫌なんですって」


「…………」




きーくんらしいや。

規則とかに縛られるの嫌いなのは、前からだもんね…。