キョトンと首を傾げて聞いてくる真帆。
…女子でも惚れてしまいそうな可愛さだ。
「あたしは良いよ。如月は?」
「俺も別に構わんスよ。
一緒に帰る言っても、途中で別れるんスから」
「ありがとっ!
じゃあ、キクくん行くよ~!」
「わーったよ。
じゃあな。美空、ホク」
真帆ときーくんが仲良く並んで出て行く。
その姿を、ジッと見つめてしまった。
「……あ。
如月、あたしも掃除……」
するよ。
…そう言えなかった。
「きさら……ぎ?」
箒を両手に持ったまま、如月はふたりが出て行った後ろの扉をジッと見つめていた。
その顔が、
何だか今にも泣きそうに見えた…。


