「まぁ、別にいても良いスけど。
ただ、俺の邪魔だけはしないでほしいスね」


「わかってるわよ、アホ」


「アホとは何スか、馬鹿」


「馬鹿じゃないし!
あたしのこと馬鹿にするのも良い加減にしてよね!」


「ワッパは大人しく、俺の言うことを聞けば良いんスよ」


「何その俺様発言!あり得ないんだけど!」


「世の中はあり得ないことだらけスよ~」


「何かっこいいこと言っちゃってんの!」




掃除もせずに言い合っていると。

どこからともなく小鳥の囀(さえず)りがした。




「キクくん!」




違う、小鳥の囀りなんかじゃない。

人の、女子の声だ。




「おー、真帆(まほ)」



呼ばれたきーくんが嬉しそうな声を出す。



「どうした真帆」


「キクくんの声がしたから、気になったんだ!」


「用事ねぇのかよ。
まぁ良いや!」