「何か文句でもあるんスか?」
「いや…あるあるだよ。
何でこんな所に机を置くのよ。
後ろ側の扉から入る時邪魔になるじゃないの」
教室の後ろ側から入ってすぐの場所。
しかも真ん中だから、邪魔以外の何物でもない。
「誰も後ろから入る人なんていないスよ」
「いや、いると思うよ!?
後ろの席の人がいちいち前から入って座るの大変でしょ?」
「運動になるじゃないスか。
今の若者は運動しないって聞いたスよ」
「た、確かにそれはあたしも聞いたことあるけどさ…」
「ちょっとの距離だから運動にならないって考えは古いスよ!」
「でもこの位置はどう考えても可笑しいよ。
せめてもっと前にするとかさ…」
「前には人がいるじゃないスか」
「ていうかあたし、最初担任から如月くんの隣だって言われたんだけど…」
「隣に来るなっス」
「えぇ!?」
…あたし、そんな断言されるほど嫌われることした?
転校初日だって言うのに、何であたしはこんな言い合いしているんだろうか?
あれ?
それにしてもあたしと如月くん以外静かだなぁ。
「……あっ」
そうだ、今授業中だった……!
「如月!西川!
人の授業を、聞け―――ッ!!」
先生の雷が、落ちたとさ。
ところで、あんた誰?


