「じゃあ、行くスよ」
「どこに?」
「…おたく何言っているんスか?
教室に決まっているじゃないスか」
「あ、そっか」
あたしの使うことになる机を持ち、器用に閉まっていた扉を開けて外へ出るあたしと如月くん。
教室へ向かうと、やっぱり2時間目担当らしい男の先生が怒った顔をしていた。
「またか如月。
そんなにワタシの授業は嫌いかね?」
「そんなことないスよ。
それはおたくの被害妄想スよ」
「ひっ、ひがっ……!?」
先生は言葉に詰まり、それ以上何も言わなかった。
「……如月くん?」
「ん?」
「何でこんな所に机置くの?」
1番廊下側の列の1番後ろ。
そこに如月くんは持ってきてくれた机を置いたのだ。


