「で?
何で美空はホクと一緒に行くんだ?」
「如月くんが一緒に来てって…」
「ホクが?
何で美空も一緒に行くんだ?」
「転校生、席ないみたいスから」
「席がない?
それ本当?美空」
「本当…」
もうあの担任、どういう神経しているんだろうか!?
「じゃオレは先に教室戻ってるな。
じゃ後で来いよ!」
渡村菊人…きーくんは肩に掛けた鞄を背負いなおすと、手を振って行ってしまった。
「なら、行くスよ」
「あ、うん」
再び階段を下り始め、職員室へ向かう。
職員室に到着して、ふと気が付く。
「如月くん」
「何スか?」
「職員室に先生いるの?」
「いるに決まっているじゃないスか。
いなかったら面倒な真似しないスよ」
そ、そうなんだ…?
何だか圧倒された気がした。