「もしかして、きーくん!?」
「そう!」
きーくん。
あたしが幼い頃、まだこっちに住んでいた時。
よく一緒に遊んでいた男の子。
あたしが引っ越すことになって、お別れしちゃったけど。
きーくんってあだ名だけは覚えているんだ。
「ふたりは知り合いスか?」
「そうみたいだなホク!
まさかまた美空に会えると思ってなかったぜ!」
「きーくんに会えるなんて…。
信じられなかったよ、あたしも!」
だってきーくんは…。
「そういえばホク。
何でこんな所で美空と一緒にサボっているんだ?」
「俺の隣の席に、この転校生が来るって言うんスよ。
だから担任に抗議しに行こうって思ったんスよ!」
「抗議!?」
何で抗議なんて!?
「しょうがないだろホク。
教室で机を新しく置ける場所って、ホクの隣しかないんだから」
「ふざけるなって話スよね」
どうやら如月くんは怒っているようです。
でも良かったな。
きーくんと再会出来て。
だってきーくんは。
あたしの好きな人だから……。