「問3の答え、間違っているスよ」


「え?本当?
…てか、よくわかったね」


「これぐらい楽勝」


「……嫌味かよ…」




あたしはもう1度、問3の問題を解き直す。

しかし何度やっても、X=2にならない。




「おかしいなぁ。
本当に如月、合っているの?」


「……ちょっと見せてみろ」




プリントを渡すと、如月がまじまじと眠そうな目で見ていた。

そして机の中に仕舞ってあったらしい筆箱からシャーペンを取り出して何かを記入していく。

…机の中に筆箱って、やる気ないんだな。




「ほれ」


「ん?
……あ、本当だ」




あたしがプリントに書き込んだ計算式に、シャーペンで訂正がはいっていた。

如月が訂正してくれた計算式を使うと、X=2になった。




「ありがとね如月。
学年トップの居眠り常習犯秀才の名は嘘じゃないね」


「……おたくが馬鹿なだけスよ」






ふっと如月は笑うと、再び机に突っ伏してしまった。