あたしの嫌な予想は大当たり。

きーくんと如月の喧嘩が始まってしまった。





「昨日も思ったけど、オレがお前らの気持ち考えていないって何?
オレは本当のことを言っただけだよ!」


「じゃあ何で俺に過去をくれなんて言ったんだよ。
意味わかんないスよ!」


「あの時は美空が好きだったんだよ本当に。
だからお前の過去をくれって言ったんだ。

それは嘘じゃないし、悪かったと思っているよ」


「じゃあ今もそのままでいれば良いじゃないスか!
過去の気持ちのまま今があれば、俺だってこんなこと言うことなかったんスよ!?」


「しょうがねぇじゃん!
美空が引っ越しちまったんだから。

その後父さんが会社始めて、真帆に会って。
会えないままだった美空より、近くにいる真帆が良いと思ったんだから!」


「転校生はずっと、キクのことを思っていたんスよ!?
それなのにキクは、転校生のことをアッサリ、離れてしまったという理由だけで突き放してしまうんスか!?

あの時どんな気持ちで俺が、キクに過去をあげたのか、わかっているんスか!?」


「美空にもホクにも、悪いことをしたって思っているよ。
だけど、オレは真帆が好きだ。

これは変えられない」


「ふざけんなよキク!
どんな理由であれ、転校生はキクを好きでいたんスよ!?
泣いてしまうほどに。

それなのにキクは、須藤が好きだと言うんスか?」


「……しょうがねぇじゃん。
オレは真帆を、好きになっちまったんだから…」


「きーくんは自分だと、嘘をつくんスか…?
これからも…ずっと?」






…どういうこと?

あたしの脳内を、ハテナマークが埋め尽くしていた。