「ホク、成績良いから良いよな。休めても」
「…嫌味スか?キク」
「いや?全然」
にっこり爽やかに笑うきーくんだけど、その目の奥はちっとも笑っていなかった。
「……で?
わざわざ俺が何しているのか見に来たんスか?
…面倒なこと、いちいちするんスね」
寝癖の残る髪の毛をワシャワシャと掻く如月。
その顔は、何だか怒っているように見えた。
「だって心配じゃん?」
「……転校生の想いを無視するキクに、心配なんてされたくないスね」
え?あたし?
…てか如月、まだあたしを名字でさえ呼ばないんだ。
良い加減転校してきて日にち経っているんだけどなぁ。
「ホク……」
「今日俺が休んだのは、全部おたくのせいスよ?キク。
昨日キクがあんなこと言ったから、行く気がなくなったんスよ」
「オレのせいだって言うのかよ!」
「当たり前じゃないスか!
転校生が必死にキクに伝えた想いを、簡単に突き飛ばして。
キクが考えていないのは転校生の気持ちだけじゃない。
俺の過去も記憶も、全くキクは考えていないスよ!」
…な、
何か修羅場始まった!?


