にしても、何なのこの家は。

あたしの住む世界と次元が違いすぎる。




きーくんは躊躇いもなく、ドンドン奥へ進んでいくので、あたしは置いて行かれないよう追いかけた。

石で出来た道を通り、そびえ建つ白い壁の大きなお屋敷へ近づく。

縁側があるんだろうけど、それは全て襖(ふすま)によって隠されていた。





「お邪魔します」


「お、お邪魔します…」




きーくんが横開きの扉をガラガラと開け、中に声をかける。

木の香りが充満する、広々としたお家だ。

…一体ここは、何?





「返事ないな…行こう美空」


「えっ!?」




きーくんは靴を脱いで、中へはいっていく。

あたしも靴を脱いで、チョコレート色のフローリングの上に乗った。

…滑りそう。





きーくんは真っ直ぐ、木の床を進んでいく。

そして襖の閉まっている、1つの部屋らしき前で立った。






「おーい。
いるのなら返事しろー?」