「放課後、空いてる?」
「空いているけど?
どうかしたの?」
「一緒に来てほしい所あるんだけど、良い?」
「良いけど…。真帆は?」
「真帆は抜きで。
オレと一緒に来てほしいんだけど…駄目かな?」
「駄目じゃないよ。
良いよ、一緒に行こう?」
あたしは鞄を背負って、きーくんと一緒に教室を出る。
「どこに行くの?」
「うん?
それは着いてからのお楽しみ」
「ふーん?」
校門を出て、自宅とは反対の駅の方へ向かう。
こっちへ来るのは、10年ぶりかもしれない。
「だいぶ学校には慣れた?」
「うん。
友達は少ないけど…」
「そっか。
そういえば美空、前から人見知りだもんな」
「あはは…まぁね。
でも、小さい頃は積極的だったんだよ?
きーくんに話しかけたのも、確かあたしからだよね?」