きっとわかっていた。 彼の心がだんだん離れていっていた事を。 わかっていても、ただ馬鹿みたいに信じていたかった。 ポーカーフェイスの裏に隠れた彼への想い。 気づいてほしかったんだ。 人に恋をして愛される喜びを知ったのは初めてだったから。 戸惑う私に、そっと手を差し伸べてほしかっただけなんだ。 なんど想ったって、もう元には戻れないのに。 今もなお降り続けている雨に、私は少し笑ってみせた。