翼に ―大切な敵―







「失礼いたしました。山沢組、の方ですか?」



現役の時と同じ低めの声。


殺気も何もない。



「ええ。」



「族の喧嘩に、組の方が参戦というのは可笑しな話ですよね?」



「本当に。でも、カシラの仰ることは絶対でして」



「そのカシラと話がしてみたいなぁ。低脳過ぎて組の行先危うそうですねえ。可哀想に」



挑発。

あたし、いつもされる側だったから(乗らないけど)挑発の難しさを今知った。



「てめえ、どこのもんだ?」


銀髪さんの笑顔の額に青筋。


一応尊敬してるんだ?そんな低脳。



「どこのもんでも良くねえか?ただ俺は、筋の通らねえ喧嘩は嫌いなんだよ。だから邪魔させてもらう」



「行け」