翼に ―大切な敵―






コンコン



ドアがノックされる。



「担任の先生かな。…どうぞ」



「失礼致します」



黒髪で紺に青の線が入ったスーツ。シルバーの縁のメガネをかけたイケメン。




「奏さん、彼は今日から君の担任の」



そこまで言って、そのイケメンにニッコリと微笑む徹允さん。



「菅拓真(スガタクマ)。数学担当で1-Aの担任です。宜しく」



「宜しくお願いします」



礼をし合う。


「では、菅くん。奏さんを教室まで連れて行ってください」



「はい。」




ガチャ



ドアを開けてくれる菅先生。

「では、徹允さん」


「奏さん、困った事があったらここに来なさい。あと、気に食わない男がいたら気を失う程度にね」




「はーい」


徹允さん、それ教師言っちゃいけないセリフ。


でも徹允さんだからよーし。