翼に ―大切な敵―





「奏、今日は夏輝と車で家まで帰ってくれ」


いつも、倉庫に行ったあと、家近くのコンビニまで祐介がバイクで送ってくれてる。

さすがにオートロックの高層マンションに住んでるってバレたら、いろいろ面倒だし。



「今日、喧嘩か何か?」



「お、奏ちゃん鋭いね。あの白鬼が怒っちゃってね。今日やるの。」


祈織が柔らかい笑顔であたしに言う。

余裕そうだけど、少し真がある。



「あたしのせい?」



「いいや、仕掛けてきたのはあいつらだ。お前のせいじゃない」


漸がパンを頬張る。

「今回のは、確実に俺らが有利だ。格下の奴らだからな」


宗が寝転びながら言う。


「だが、あの格下が胸張って宣戦布告してきたのはどうもおかしい」



一人考え込みながら呟く祐介。


うん。そうだね。


バックに何かいる。


「その情報がないんだよね。」


笑っていない祈織。

迫力が凄い。