翼に ―大切な敵―




キーンコーンカーンコーン


昼休み

「奏」



教室を出ると、祐介が壁に寄りかかっていた。



「お、なに?」




「あのな「逢沢」」



祐介の声に被さって少し離れたところから呼ばれる。


「?」



振り返るとそこには


「拓真?」



「あ、取り込み中だったか?」



「いや?ね、祐介」



「あぁ」



祐介に問いかけると静かに返事をする。



「昨日悪かった。これ」



きちんと畳まれたカーディガンと、コンビニ袋。



「あ、ありがとう」



コンビニ袋にはお菓子が入ってた。



「それ、礼」



「こんなにあたし働いてない」



「いや、あの話のことも悪かった」


「ふふふ。拓真って本当に優しいね。じゃあ、貰ってあげるから大変な時は学年首位を呼んでくださいね、先生」




メガネを上げるような仕草をして笑いかける。



「はいはい。じゃあな」



「ん」



拓真はスタスタと帰って行った。