「それにしても、奏ちゃんてそのジュース好きだよね」



空気を変えるために、笑顔で話し掛けてくれる祈織。

大人だ。



「うん。甘酸っぱくて暑いとサイコーだよ」


フルーツジュース。



「あはは、夏輝もこれ好きだよね」



「あ、はい。」



夏輝は相変わらず真面目。



「なんだよ」


いつの間にか夏輝の顔をガン見してた。

「いやー、真面目だなぁって」


「うっせ」


あ、不機嫌になっちゃった。


鳳龍には愛がある。

厳しくも温かい。


懐かしい。



戻りたいな。
あたしは弱い。
過去を振り返るなんて。