「奏」
「うん?」
いつからか、鳳龍の倉庫に連れてこられるようになった。
祐介が黒いソファに座って機嫌悪そうにあたしに声をかける。
その声にストローに口をつけて答える。
「昨日1日どこに行ってたんだ?」
「祐介、機嫌悪そうに聞いたって相手は答える気失せるよ」
あたしがキツめに言うと、俯いて舌打ちした。
子供だな。
「あたし帰る」
「は?」
席を立ってバッグを持ち、出口に向かう。
すると
「すまん。態度悪かった」
出口に通せんぼするようにして、切なそうな顔であたしに言う祐介。
「あたしも指摘がキツかったね。ごめんごめん。」
そう言って、祐介の腰に手を回してハグをする。
「っ。おい。」
「あ、嫌だった?祐介切なそうな顔してたからさ」
「そんな顔してねえ。さっきの質問答えろ」
「まぁたその態度、全く。病院だよ病院」
「……お前どっか悪いのか?」
百面相?祐介。
やっぱり豪とは少し違う。
豪は余裕に満ちてる。
祐介は今余裕がない。
糖分足りないのかな。