頭の上から降ってくる、透き通った低い声。


上を見上げると、黒縁のメガネに茶髪で真面目に制服を来ている男子生徒。


身長は170後半かな。



「俺の顔なんかついてる?」



自分の顔を指差して、首を傾げる男。



「なんもついてないよ。」



「そう。で、どうしたの?」



「理事長室ってどこだか分かる?」



「あぁ。理事長室ね。分かるに決まってるでしょ?ここの生徒だし。あー、ここの生徒は別かな」



興味と覚える必要がないものは、あんまり覚えないもの。



「案内するよ」



「ありがと」



歩き出すメガネに着いていく。