翼に ―大切な敵―






後ろを振り向くと、誰もいない。

俺は総長の器じゃないんだ
豪が一番慕われていた


紅く染まったコンクリートに目を落とす。



「ぁ…ぁあ……あぁぁぁああ!!!!」




その血の上に倒れ込む。



なんて、なんて無力なんだ
本当に豪がいないと何もできない馬鹿だ






「本当にな。でも、俺が助けてやったんだ。人生楽しまないでどうする。」




声だけ聞こえる。


「豪?」



「お前の前でかっこよく居られなくて、それは辛いが、お前から会いに来てくれるここは好きだぞ。だから、泣くな。お前が泣くと抱きしめたくなる」




「豪!」