ピッピッピッ
「あら、奏ちゃん。今日も来てくれたのね」
真っ白で無機質な病室に横たわり、管がたくさん繋がれた豪はいつ見ても痛々しく、目線を外したくなる。
豪のお母さんに深く頭を下げる。
「いつも思うの。豪は目の前に大好きな子がいるのに抱きしめも出来なくてもどかしいだろうなって」
ふふふ、と微笑む鳴瀬幸(ナルセサチ)さん。
「あ、こんなこと言ったら豪に怒られちゃうわね。」
今はこんなに優しい幸さんだけど、豪が植物状態になってから3ヶ月くらい、あたしの出入りは断じて許されなかった。
だって、こんな風にしたのはあたしだから。
『ごめんなさい。感情的になってしまったの。豪は奏ちゃんを助けられてきっと、すごく安心していると、豪の部屋を整理してて分かったの。』
3ヶ月経って、病院に招かれたときそう話してくれた幸さん。
『豪、きっと奏ちゃんと逆の立場だったらここから離れなかったし、ろくにご飯も食べそうにない。豪はそれくらい奏ちゃんの傍に居たいんだ。そう、東くんに言われたわ』

