翼に ―大切な敵―





「おーい、総長」



「その呼び方やめろ」



「だって、お前総長だろ?あー、女って名前で呼ばれるの好きだもんなー」



「はあ?」



「ほら、奏」




あたしの前に手を差し延べる。




「なんだよ。」



「何って、俺の手握れってこと」



豪の手にあたしの手を乗せると



「よし、いくぞ」



「は?どこに」


「デート」



「はぁ!?」



そんな様な事が結構あって、いつも豪の単車の後ろに乗って海とか行ってた。



「街中だと、マスク付けてるお前と違って俺の顔は知れてるからな。なかなか、行けねえ。ごめんな」



付き合ってもないのに。

あたしの荷物になりすぎないようにと気を使ってた豪。


豪はあたしと出会う前は、彼女いたり、寄ってくる女を拒むことはなかなかなかったらしい。



けど、あたしと出会った1年前から、そんなのが一切なくなったらしい。



今思うと、知っているようで豪のことあんまり知らなかったあたし。


早く、昔のこと教えてよ。

話してよ。


豪………………__