翼に ―大切な敵―





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「うぉらあっ」



怒号と肉がぶつかり合う音。


喧嘩だ。

あたしが一番豪を見るのが大好きな時間。


「副総長さんよぉ、そんな小せえ奴の下につくの惨めじゃあねえのか?」




豪にやられたと思われる顔の痛々しい傷。


豪は無意味な傷は付けないけど、あたし絡みになると関係なくやってしまう。

そんなのが嬉しい。けど、心配。



「あ?小さいアイツに負けてるのはどこのどいつだ。強けりゃ、尊敬できりゃあ、体型なんて関係ねえだろ。それに、俺は下についてるつもりはねえ。喧嘩は確かにコイツの方が上だ。だけどな、俺がいねえとこんなに強くないぞ?こいつは」



ははは、と笑う豪。

あたしを流し目で見る。




「うるせえよ」



「否定しない総長さん、俺は好きだぞ」



「だから、うるせえっつってんだろ」


照れ隠しでいいながら、目の前の男を蹴り上げる。



あたしの隣にずっといて欲しい存在。
豪は。